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著者からのメッセージ
今秋、NHKテレビで「坂の上の雲」が放映されるそうで、今から楽しみだ。
私は司馬遼太郎さんのファンで、「坂の上の雲」を、繰り返し何度も読み返した。
しかしその結果、司馬遼太郎さんとは異なる見解を持つようになった。
「坂の上の雲」は、旅団長と海軍参謀の兄弟の物語。少将と中佐の手柄話である。
しかし日露戦争に従軍した我々の父祖の多くは、兵士か下士官か、せいぜい尉官である。
旅団長や軍参謀の手柄話も悪くはないが・・・、 我々の多くの父祖から見れば、「雲の上の話」のように思われた。
召集され、命じられ、行軍に喘ぎ、泥水をすすり、脚気や凍傷に苦しみ、堅牢な要塞に挑んで斃れ、厳寒の満州の荒野に屍を晒した八万八千余の将兵一人一人の戦死の様子を、兵士・下士官・尉官らの視点から記録しておきたい、というのが本書の目的である。
「我々の若き父祖たち一人一人が、国難と、どう向き合ったか」
を記録するには、日露戦争の実相が正確に記述されなければならない。 そこで本書は、理屈抜きで、日露戦争の実相を語ることとした。
「坂の上の雲」を楽しむと同時に、本書も御覧になって、相反する二つの視点から、日露戦争を考えて頂ければ幸いである。
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