新たな「建築計画」に対応するための「工事協定(書)」について

 ある日突然、「建築計画のお知らせ」という看板が貼り出される。戸建て住宅ならまだしも、それが大型のマンション・店舗・工場の計画だとしたら、いままでの生活環境は大きく変化し、日常的にさまざまな影響を受けることになります。

 古い建物の解体工事に始まり、新たな建築工事の期間中、さらには工事の完成後も生活環境への影響は大きいものとなります。それらの主な影響事項を挙げてみましょう: これまでに多くの方々が悩んでこられた事柄です。

 ◎ 騒音・振動の発生  ● 乳幼児や病気療養中の方の安眠と安静が妨げられる。
 ● 血圧・心拍数の増加、イライラなどの肉体的・精神的な不安感が生じる。
 ● 壁のヒビ割れなど家屋の損傷が生じて、補修をしなければならなくなる。
 ◎ 塵埃(ほこり)の飛散  ● 洗濯物や布団が干せない。
 ● 窓や出入り口を閉め切ったままにしなければならない。
 ◎ 大型車両の通行  ● ダンプカーなどの大型工事車両の通行で、歩行者・自転車が危険にさらされる。
 ● 通学路・生活路の安全・安心が損なわれる。
 ◎ アスベスト・土壌汚染  ● 古い建物にアスベストが使われていないか?
 ● 計画敷地内の土壌に汚染物質が潜在していないか?
 ◎ テレビ電波受信障害  ● 地上波・衛星波ともに受信障害が起きる可能性はないか?
 ◎ ビル風の影響  ● 大きな建物の場合、周辺で強い風(ビル風)を生じることがある。
 ◎ 景観への影響  ● 自宅から見える周囲の景観が大きく変わることも:


 このように、マンション等の開発が近隣住民に及ぼすさまざまな影響は、身近な生活環境をはじめとして地域の景観にも大きな問題となるケースがこれまで多くみられてきました。新たな開発計画は、その内容が「建築基準法」、「都市計画法」や「まちづくり条例」などの法規制に違反していなければ、これを変更させ、あるいは中止させることは極めて難しい状況にあります。

 しかし、これまで多くのケースがそうであったように、”ある日、突然の問題発生”に対して、私たちはどうすればよいのか手段・方法がわからないまま時間が経過するというのが実態です。こちらはどうしたらいいのかわからない「素人」: あちらはベテランの「プロ」です。

 そこで:
  (1) もし、突然の「建築計画のお知らせ」看板を目にして、不安あるいは問題と感じたら近隣の方々と話し合いましょう。
  (2) 速やかに行政(市)担当者に対して、計画内容などについて質問し、相談しましょう。
  (3) 開発事業者に対して、事業計画の内容について公開の「説明会」を開催して貰いましょう。
  (4) 開発行為を最終的に受け入れざるを得ない段階では、業者等と「工事協定(書)」を取り交わして、安全・安心を確保しましょう。


 市民の生活環境を守るための最低限の「砦」として、この「建築計画」に対しての「工事協定(書)」が有効となります。

 三鷹環境市民連は、これまで多くの会員の経験と過去のたくさんの工事協定締結書を参考にして、2007年4月より1年3ヶ月をかけて「新築・解体工事協定書の参考文」(いわゆる:雛形)を作成しました。下記の枠内に2種類を示しましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

 三鷹市は、まちづくり条例: 「三鷹市開発事業に関する指導要綱」の(第3章まちづくりの推進、近隣関係住民への配慮)第10条で「開発事業者は、開発事業の施工にあたっては、関係法令等を遵守し、工事の騒音、振動等による近隣関係住民の被害防止について最善の措置を講ずるとともに、工事施行前に近隣関係住民と工事協定を締結するよう努めなければならない。」とし、指導、助言を図っています。開発事業だけでなく解体事業についても環境配慮制度で細かな指導をしています。

 今後は、「指導」から「義務」へ: 「三鷹市まちづくり条例」において、「工事協定書の義務化」 が定められることを望みます。

 「工事協定書」の参考文(雛形) 
(右をクリックして下さい。) 
 ⇒ 「解体工事協定参考文」 PDF: 4ページ 
 ⇒ 「新築工事協定参考文」 PDF: 4ページ