人の生老病死に深くかかわる看護婦の仕事は、ストレスが多い反面、やりがいに満ちた魅力ある仕事でもある。私自身、内科で9年、精神科で3年の勤務経験を持つ看護婦である(1999年4月1日現在)。この仕事を続けていく上で、自分のストレスをいかに処理するかは、常時大きなテーマであったが、昨年主任看護婦として一部管理業務も行うようになったことで、スタッフ全体のストレスマネージメントについても考える必要が出てきた。
看護婦は伝統的に、おのれの意志を抑えて病む人に奉仕し、その快復をもって喜びとすることを社会から求められてきた。これによりもとからのまじめさに加えて、過度に自責的な傾向を持つ者が多く見られている。ストレスマネージメントにあたっては、このメンタリティを理解する必要がある。また、滅私奉公が美徳とされた時代には、看護婦が自らのストレスについて語ることさえタブーだった。看護婦のストレスがきちんと社会的な問題として語られるまでには、看護婦の社会的評価・イメージの大きな変化が必要であったことも指摘しておきたい。
ようやく社会的認知を受けた看護婦のストレスマネージメントは、今看護界において最もホットな話題のひとつである。様々な技法の開発や研究がなされているが、それが現場で活用されているかとなると疑問も多い。
この論文では、看護婦のストレス病についての実例をあげ、私自身の実感も織り込みながら、ストレスを抱えやすい看護婦のメンタリティについて検証した。その上で、看護婦のストレス要因の分析を行い、ストレスマネージメントの様々な技法・システムの内、最近特に注目されている以下の5つについて検討してみた。
アサーティブ・トレーニング
交流分析
「看護を語る」こと
キャリア開発支援
リエゾン精神看護(専門看護師)
結論としては、看護婦が本当に心を許し、自らの悩みを語れるのは同じく楽を分かち合う臨床看護婦に他ならない。看護管理における看護婦のストレスマネージメントは単に制度を作り、専門家をおけばすむというものではなく、看護婦がそれぞれに癒しあえるための、関係づくりの視点が大切だと考える。看護婦一人一人の心にカウンセリングマインドを根付かせるためにこそ、様々な技法・制度が活用されなければならない。
指導:森田明子先生