中国随一の名山として名高い安徽省の『黄山』を訪ねることになったきっかけは一幅の絵でした。
中国で街中の食堂、どちらかというと中から下の所謂、大衆を相手にした食堂の壁によく姿の美しい松の写真や絵が飾られています。
この食堂の壁面がこれです。
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これはまた別の食堂のものです。
『迎客松』と記されてあり、日本にもよくある『大入り』『招き猫』『宝船』『千客万来』等々と同じ様に縁起物なのでしょう。
この松の木を見に行こう、というのが今回の旅の始まりでした。
場所は、安徽省の南部。東に浙江省・南に広西省・西に湖北省と接する地域に位置します。
山ですから安易には行けないだろうとのことで、ネットを中心に情報を仕入れました。
情報は結構ありました。これらは中国と香港のサイトから無断で借用した迎客松の写真です。
迎客松を背にしての記念撮影です。
この様に『迎客松』は中国では広く知られているのだと分りました。
さて、いよいよ中国在住の友人との黄山行きの決行です。
近年はロープウェイが整備され素人でも容易に黄山へ登れる様になり、山中で一泊か二泊して山を堪能する行程が一般的なのですが、我々は山麓登山口の町、湯口に二泊して黄山へは日帰りすることにしました。
その理由は、二人とも登山や山に特別に趣味があるわけではないので、山中で宿泊して設備や食事に不満を抱く恐れを避けたいと考えたからです。
黄山行きには近年開港した黄山空港の利用が便利です。
北京・上海・広州等と空路で結ばれており、観光路線であることから殆どのフライトが夕刻から夜の発着です。
我々は、広州から夜入り、黄山を訪ねたのち、再び夜に上海へ抜けました。
黄山には三つのロープウェイがありますが、我々は慈光閣から入山し、玉屏ロープウェイで山上を目指すことにしました。
まずは入山です。
入山料、130元!約1700円です。
次にロープウェイ。65元=約850円です。
黄山には三つのロープウェイがあります。概要は次の通りです。
玉屏索道 : 延長2176m 高度差752m 時間8分 終点海抜(1600m位、調査中)
雲谷索道 : 延長2808m 高度差773m 時間8分 終点海抜1667m
太平索道 : 延長3709m 高度差1014m 時間10分 終点海抜(調査中)
いずれもなかなか日本ではお目に掛かれないスケールの大きいものです。
『黄山』は独立したひとつの山ではなく、70を超える屹立した群峰の総称です。三大主峰は、
蓮華峰 (1860m・・・1873m、1864m、1840mとの記述もある)
光明頂 (1840m・・・1860m、1841mとの記述も)
天都峰 (1829m・・・1810mも)
で、蓮華峰が最高峰です。
全山花崗岩でできた切り立った岩山です。花崗岩ですから太古の昔は海底であったということになります。
黄山は、奇松・怪石・雲海・温泉の四絶で名高いそうです。また、『五岳帰来不看山、黄山帰来不看来』とも賞されています。
また、奇松のうち、最も姿の美しい松のひとつにはその形から『迎客松』という名が付けられていて、名の通りこの松に誘われての黄山詣でとなったのでした。
玉屏ロープウェイを降りて少し登ったところに突然といった感じで『迎客松』が姿を見せました。
私が撮影した『迎客松』。
まさに今まで見てきたものでした。
登山道は見事に敷石で整備されていて、道というよりも階段と呼んだほうが正確かもしれません。
さすがに有名な観光地(ロープウェイのお陰で老若男女でも挑戦可能です)だけあって多くの人々で、行列になることもありました。
疲れてへとへとになりながらも、蓮華峰と光明頂を制覇しました。年間のうち三分の二は雨か霧ということで期待していなかったのですが雲一つ無い晴天に恵まれこの様な素晴らしい景色を堪能させていただきました。
山上といっても平らで広い場所は無く峰々をかなり急な狭い登山道を上り下りしながら巡るのですが、我々は宿泊せずに日帰りでしたから別の雲谷ロープウェイの乗り場へ行き下山しました。
雲谷索道では思いがけず自分の乗っているゴンドラの影を見ることになりました。
さて、我々は山麓の湯口という村落に二泊して黄山を制覇、といっても殆どがロープウェイのお世話になったでしたが、この村落は一部の黄山観光関係を除くと貧しい農村でした。
山懐で耕地が少なく、日照にも恵まれず農民の生活の苦しさが窺い知れました。
この古い捨て去られた家ですが、廃墟と思っていると中に人の気配を感じて驚かされました。
多分、水稲だけでは生活を賄えられないのでしょう。狭い耕作地を最大限に利用して家庭用の作物を作っていました。
9月も下旬だというのに、水稲もまだ青いままです。
上は、唐辛子とサツマイモ。
左は、ナスにカボチャ、まだ青く小さいのが痛々しく感じました。
トウモロコシの実りも今ひとつです。
これは何でしょう?
茎と根を食べるとのことですからゴボウかなとも考えたのですが葉が違う様です。
ヘチマも立派な食材で、若いものを食べるとのこと。
ちなみに、友人はヘチマを英語で、Net Melonだ、と言ってましたが、さっき辞書で調べると、Sponge Cucumberと出ていました。
どちらでもいいでしょう。
これは大豆。
これもまだ青いままです。
少ない耕地の利用、日本も僅か数十年前までここと同じだったのです。
中国の農民は今後豊かになっていくだろうか、などと難しいことを考えさせられました。
《蛇足:今回の黄山行で多用した中国語》
累了
不累
辛苦了
請等一下
加油
好看
漂亮
没関系
等々の基本的な日常語でした。