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くたじゃ報 64号 |
世界中を「編み込みたい」! |
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松島玉三郎 (2009年7月発行)
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あらゆるジャンルの「自作する人々」の祭典、 Make: Tokyo Meeting 03(2009年5月)は、けっこうインパクトありました。 http://www.oreilly.co.jp/mtm/03/ 完全手作りプラネタリウム+人力3D、感動しました! 歯車を回すとワイヤレスでパソコンの波形が呼び出されて音が鳴る!もよかった。 池から汲んで来た水の中の微生物を1分間に1回撮影した動画も素敵! 指の脈拍を察知して、心臓の鼓動ごとに動く「心臓のオブジェ」にもまいった! 自転車を漕ぐことによってグーグル・アースの地球上空を飛べる映像も圧巻! 盟友の米本実博士は、電子楽器界の大先輩に囲まれて、赤丸急上昇! ・・・・・・・・・・・とかとかとか・・・・・・・・・・・すごかったですけど・・・・・・・・・ 世界中を「編み込みたい」! というハイパーニットクリエイター 力石咲(ちからいし・さき) なる女の子が私には一番インパクトありました。 http://muknit.com/ ![]() 自分で編んだ、ニットによるコアラを模した衣装で 全身を包んでいて、この日は暑い日だったので、 思わず「・・暑くないですか?」と無粋な質問をしてしまった私。 ニットで編んだ立体造形がいろいろ置かれていた のだが、地球の形をしていて、近づくとセンサーが 察知して、何箇所かについている目玉が開く ”ManGlobe”はなかなかインパクトがある。 話してみると、世界を旅してあらゆるものを、 建物や木々や、できれば人々も「編んで包んで」 しまいたいという野望をとくとくと語ってくれた。 ううむ、これはクリストに類するアーティストなのだろうか と思ってしまった。 ![]() (私はMake: Tokyo Meeting 03の1日目に行ったのだが、 2日目には彼女はもう早速、「M」「a」「k」「e」の4文字を 2日目には彼女はもう早速、「M」「a」「k」「e」の4文字を ニットに編み、会場内の木にくくりつけたらしい) さてさて、改めて彼女のオフィシャル・サイトを見ると、 けっこうちゃんとした活動暦があるのだ。 http://muknit.com/profile/ つい最近も、ハンガリーのブダペストで行われた "ジャパニーズ・スピリッツ"日本人現代美術展にも 招かれて作品を展示している。 彼女の『世界を編む』という制作信条は、2009年3月の オーストラリア滞在から多くを得て、確信したものらしい。 この体験は、「・・・FMラジオ局J-WAVE内の番組MODAISTAの アーティスト支援企画 Traveliving Projectに選出され」た ことから「オーストラリアのゴールドコーストで創作活動・・」 することになった、といういきさつなのだ。 http://www.j-wave.co.jp/original/modaista/traveliving/ さて、彼女はなぜコアラの姿を模したニットを 着ていたのだろう? 彼女からの答えは、こうである。 オーストラリアへ行って、コアラを抱かせてもらったときに、 コアラは人や木に、ものすごい力で抱きつくのだという事が わかった。そのとき以下のようなアイデアを思いついた。 オーストラリアの街を編み込みたい自分としては、 自分がコアラのようなかっこうになって、コアラのように 物や人に抱きつけば、それは「編み包む」事と同じ意味があるの ではないか?・・・そして、その考えに基づいて実際にそのように 行動したらしいのだ。コアラのモチーフのバングルも編んで、 会う人ごとに巻き付けて来たらしい。 これを聞いて、力石咲というアーティストの 「編む」「包む」という創作活動は、 クリストのプロジェクト志向の「包む」行為よりも 接触感覚に基づくものなのだな、と実感。 接触感覚の作品制作ということになると、 当然「愛するがゆえに」編んで包む、ということになるかと思う。 アーティストたるもの、およそ自分の作品と世間との関係性に 「愛」を想定しない人は、まあいないと思う。クリストだって、 自分が挑み包む世界には広い意味の愛を持っているだろう。 しかし、力石咲というアーティストの作品は明快に分かりやすく 「愛するがゆえに」生み出されているように感じる。 そうであれば、なおさら、彼女が望むように 世界のあらゆる場所で、なんらか大きな建造物を 彼女が編み込むのを見てみたいと思った。 巨大なプロジェクトになればなるほど、彼女ひとり では実行できなくなるし、また制作に現地の 許認可が必要になるだろう。 だから、それを成し遂げれば、彼女の 「愛するがゆえに」という意味合いは高次元のものに なると思う。 http://saknit.seesaa.net/ 彼女のブログを読むと、編むための様々な素材探しには なかなか余念がない。 宇和島など旅先では、様々なものをゲリラ的に編み込んで 来た報告もなされている。他のアーティストからも衣装の 制作の依頼なども受けたりしているし、自ら着るものも極力 自分で編んだものを日常も着ようと、少しずつ編み進めて いるらしい。 なるほど彼女は本当に編むことにまっすぐである。 このまっすぐさで、彼女が巨大なプロジェクトに挑むとき どこまでやりおおせるか、私はとても興味がある。 ・・そこで皆さん、手始めに・・・ アーティスト力石咲に、まずは自分の家などを編み込ませて みたいなどという方はいないだろうか? そして、何らかのイベントやプロジェクトを進行させている方、 彼女に(国内でも海外でも)編み込ませて面白いような企画が ないだろうか? (自分が企画できないのに、こういう事を提案するのは 松島の性分としては気が引けるが、案外こういう事を書いた おかげで何か実ることもあるなあ、というのが最近の実感なので) 彼女の”ManGlobe”という地球に、彼女が編み込んだ 国々や都市がどんどん記録されていくといいと思う。 愛するがゆえに編み込んでいくことと、 そして愛するだけではどうにもならないことがら なども体験して、世界を編み込むとはどういうことなのか、 やり続けながら語ってほしいと思うのだ。 |
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